楽天メソッドが世界進出している件と、表音文字と表意文字の違いによる広告手法

2017-11-03T14:05:31+00:002016年8月10日|Categories: EC, Webサービス|Tags: , |

Web、特にECを生業としている人なら一度は聞いたことがあるワード、楽天メソッド。ひとことで言うなら、強烈に縦長の商品ページ、です(参照:小鳥ピヨピヨ)。 大きな画像、原色を基調とした色づかい、極太フォントなどで構成され、肝心の購入ボタンが最も探しにくいという、ECの根底を揺るがすようなデザインのことです。 常識的に考えれば廃れていくはずですが、この潮流は一向に変わることなく、むしろスタンダードとしてすっかり定着しました。 このデザインを評して、「海外では考えられない」という意見があります。たしかに海外のLPは、ページの要素はとにかくコンパクトに、CTA(Call to Action=購入)ボタンは目立つようにと指南されています。 この日本と海外の違いについては、いろいろ考え方がありますが、個人的には表音文字と表意文字の違いも大きいだろうと考えています。日本語(漢字)は文字がそのまま意味を持ち、絵や写真としての役割も果たします。たとえば「熊」という文字は、それ1文字だけで「bear」以外の何者をも示しません。 一方で英語は表音文字であり、文字が組み合わなければ意味をなしません。基本的に、「b」という文字は「b」という文字以外の何も示しておらず、「b」「e」「a」「r」という4文字が揃ってはじめて「熊」という意味を持ちます。 従って、英語をはじめとした表音文字において、何かをテキストで伝えようとするとその数は膨大になるため、表音文字圏の広告は自然と文字が少なくなった、という理由です。 と、もっともらしいことを語ってはみたものの、それが崩れているのではないかというのが今回の主旨。 業務上、Wordpressなどのテーマ販売サイトをよく見るのですが、以下は、世界で最も使われているテーマの1つでもあるAvadaのページです。   スクロールお疲れ様でした。 右側部分にCTAボタンがあるため、厳密には楽天メソッドとは違いますが、メイン部分は伝説のカステラに勝るとも劣らない縦長さ。 今のところ、頻繁にこのようなページを見ることはありませんが、もしかしたら楽天メソッドはこのまま世界標準化してゆくのではないかという懸念、もとい兆候を若干感じています。 こうなると、はたして人間工学的にどんな優位性があるのか、MITあたりに分析してもらう必要があるのではないかとやや真剣に思います。

不動産屋さんも物件をネットで探しているような気がする件

2015-10-13T21:09:10+00:002015年10月13日|Categories: Webサービス, 日々|Tags: |

最近、不動産物件を探す機会がかなり多い。ネットで条件を入力し、気になる物件があれば不動産屋さんに問い合わせる、というごく普通の流れである。 一昔前は、不動産屋さんがネットに載せているのはほんの一部で、いい物件は隠し持っているなんていう噂があった。もっと言えば、掲載しているものは実は存在せず、店舗に引き寄せるためのエサだなんて噂もあった。 しかし実際にはそんなことはない。ほぼすべての物件は内見できる。 一発でいい物件が見つかるなんて中々ないので、当然断ることになる。そうすると、不動産屋さんは決まって「条件を教えてもらえればお探しします」という。まぁそりゃそうだ。 しかしその後に送られてくる情報というのが、ほぼ100%すでに見ているものだ。探しているエリアや条件をかなり絞っており、各大手不動産サイトに登録しているせいかもしれないが、それにしても「これとっくに見たよ」の繰り返しだ。 プロが見ているのがまさか検索サイトではないだろうけども、少なくともデーターベースは同じなのではなかろうか。タイムラグがあるとしたら、大家さんから仲介依頼が来てそのDBに登録する間くらいか。ましてや、不動産屋さんだけが見られるヒミツの情報なんてものは存在しない気がする。隠してたところで、何も得しないし。 もし本当にそうだとしたら、今回のように、条件が明確に決まっていてネットで日々確認できる余裕がある人にとっては、不動産屋さんを介す意味が、部屋の鍵を開けてくれるだけになってる感がある。 もちろん、個人がいきなり大家さんに「部屋見たいから鍵貸してください」というわけにもいかないから、不動産屋さんは必要だろう。しかし、「部屋を荒らさない」とか「合鍵を勝手に作って住んじゃわない」とかいう担保さえ握れれば、貸主と借主が直接やり取りする方が手間の面で有利だ。検索も内見も勝手にやるから手数料は半額、とかがあれば、不動産屋さんもビジネスの幅が広がるはずだ。立ちいかなくなるところもあるだろうけど。 さすがに不動産は高額だから契約の障害も高いだろうが、たとえばFacebookの友だちの友だちなら簡単な契約でいいよ、とかになる日が来ないだろうか。いろいろ法律が厳しいのかな。

music unlimitedとはなんだったのか

2015-07-16T22:22:56+00:002015年7月16日|Categories: Webサービス, モバイル|

AWA、LINE Music、そしてApple Musicなど、定額制音楽配信サービスが活気づいている。 しかし、みなさんは覚えているだろうか。というか、知っているだろうか。music unlimitedというサービスがあったことを。 これは、ソニーが2012年7月から提供していたサービスで、残念ながら2015年3月で終了してしまった。月額980円を支払うことで音楽が聞き放題になるシステムはAWAやLINE Musicとまったく同じで、それを3年も前から日本で始めていたのは今でもありがたいと思っている。 終了の理由として、Spotifyと共同で始めたPlayStation Musicへの移行が語られたが、残念ながら日本では利用できない。日本のレーベルも、速く新しいビジネスモデルに移行してくんねぇかなぁ~なんて鼻くそほじりながら待っていたら、先にAWAなどが始まってしまった、という感じである。 というわけで、ここ1ヶ月ほどAWA、LINE Musicを試してみた。音質も十分だし、見た目にも使いやすいのだけど、残念ながら物足りなさはあった。その理由は、やはり曲数にある。 Lineが100万曲、AWAは500万曲だということだが、music unlimitedの最盛期は3,000万曲を超えていた。music unlimitedで見つけ好きになったあの曲が、AWAにはやはりない。 その点で唯一対抗できるのはSoundCloudだが、いかんせんここはDJやコンポーザー的なユーザーが多く、ほとんどの曲がリミックスさ れている。それがサービスの魅力でもあるのだが、いくらかっこ良くアレンジされていたとしても、1リスナーとしてはオリジナルを聞きたいとい う欲求がやはりある。好きなミュージシャンのライブで、お気に入りの曲が妙にアレンジされていた時のちょっとしたガッカリ感みたいな。 料金が高いわけでもない、Walkmanの音質もよい、曲数も多い。ではなぜmusic unlimitedは終わってしまったのか。終わってしまった以上、ビジネス的に成功していなかったという前提で、理由を考えてみた。 ひとつは、邦楽がほぼ皆無であったという点。日本人は特に国内の音楽が好きで、海外ミュージシャンの人気はない。それがいいとか悪いとかではなく、現実としてそうである。 そこに問題意識を感じていたのか、後期には明らかに邦楽ミュージシャンの曲が増えてきたが、私が流行りに疎いせいもあるのか、とても一般顧客を惹きつける魅力があるラインナップには見えなかった。 Spotfyが日本で開始しないのは、無料会員制度があるからだと言われる。それに対し、ソニー(ミュージック)とエイベックスという、国内レーベルでも力を持った存在が首を縦に振らないからだそうだ。そういう意味では、AWAとLine Music双方に音源を提供したエイベックスは、日本でSpotfyが根付く前に、定額音楽配信サービスのパイをすべて奪っておこうという思惑があるのかもしれない。 そしてもう一つ、music unlimitedのアプリはひどかった。控えめに言っても、クソであった。私が使っていたWalkmanとの相性が悪かったのかもしれないが、10回起動して、まともに立ち上がるのは2,3回。数十分から1時間楽しむのに、一度もクラッシュしなかったのは10回に1回だった。 せっかくWalkmanというすばらしいハードがあるのに、ソフトは本当に壊滅的と言っていいレベルであったのだ。 サービスを開始するタイミングは、早すぎても遅すぎてもダメだと言われる。music unlimitedが早すぎたのか、日本には定額制音楽配信は根付かないのかどうかは、AWAなどの成功にかかっているか。